業務システムの開発は、IT企業に依頼するのが一般的であった。最近は技術の進歩によりホームページを作成する感覚で、システムを構築できるようになってきた。ユーザにとって短期間・低コストで構築できるので、メリットは大きい。
逆に、IT企業にとっては従来の人月単価の仕事が急速に減り、淘汰されていくだろう。生き残るための対策を早急に検討し、対応する必要に迫られている。

システムは、プログラミングによって構築されている。プログラマーが開発するには、専門的な設計書が必要になってくる。顧客の要望をまず整理した要件定義書、それをもとにシステム全体像を整理した基本設計書、そしてプログラマーがプログラミングするための詳細設計書と、段階的に作成していく。
各種設計書を作成する作業、各種設計書通りにシステムが構築されているか検証する作業が必要で、多くの人が携わっている。結果、システム開発費が高く完成までに時間がかかってしまう。

システム開発の非効率さを改善するために、既に1980年代から少ない命令で開発できる新言語への取り組みや、設計書よりプログラムを自動生成する技術が登場していた。開発の効率化は進んではいるが、システムはいまだIT企業に依頼するという流れは変わっていない。

2000年以降インターネットが普及すると、Web技術によるシステム開発が主流になった。
代表的なシステムは、ホームページの開発である。HTMLという開発言語で構築する必要があり、当初はIT企業へ依頼していた。しかし、HTMLを自動生成するコンテンツ管理パッケージ(WordPressなど)や、クラウドで簡単に構築できるサービスが提供され、ユーザが簡単にホームページという、システムを構築できるようになった。
ユーザ自身で構築できるので、前述の設計書についてプログラマー用詳細設計書は不要になる。要件定義書は簡単に整理するだけでよい。基本設計書は、要件定義書と詳細設計書の橋渡しという位置づけであり、詳細設計書が不要になると必要性は薄れてくる。結果、要件定義書と基本設計書で本当に必要なものを記載した設計書があれば、役割を果たせる。

次に、業務システムの開発はどうだろうか?
IT業界では前述の通り開発の効率化に対して、常に取り組んできている。最近はノンプログラミングによるユーザで開発できる技術(超高速開発と呼ぶ)が確立して、積極的に利用するケースが増えている。
インターネットの定着とともにクラウドという廉価でアプリケーションを利用できるサービスが登場してきた。最初はセキュリティに対する不安や、機能的に不足しているという理由から、業務システムで採用されるケースは少なかった。最近はセキュリティ対策が向上し、セキュリティへの不安が解消されている。ワークフロー・ERP・超高速開発など、高機能なサービスが登場してきた。ユーザが業務システムとして採用するケースが増えてきている。

業務システムも、いよいよユーザ主導で構築できるようになってきた。まさにホームページ感覚で、業務システムを構築できるようになった。ユーザ主導で開発する業務システムは一層広がっていく。業務システムが低価格・短期間で構築できる時代が到来したのである。

このような状況で、IT企業が従来の人月単価の開発を続けていては将来はない。ユーザはシステム開発の選択肢が多くなりすぎて、何を選択したらよいか迷うことが増えていくだろう。ユーザのニーズとシステムをマッチできるIT企業が生き残れるのではないだろうか!

また、働き方改革や少子高齢化により、ユーザは業務効率化を図っていく必要がある。システムは最大の武器であり、増えていくだろう。IT企業に相談するケースは増えていくと思われる。この商機をうまくつかんだIT企業だけが生き残れるのではないだろうか。

業務システムに関して、まさにユーザとIT企業の立ち位置が大きく変わろうとしているターニングポイントである。

以上